グリーンインフェルノ

映画紹介
ジャンル ホラー製作国 アメリカ チリ製作年 2013公開年月日 2015/11/28上映時間 101分製作会社 Worldview Entertainment, Dragonfly Entertainment, Sobras International Pictures配給 ポニーキャニオンレイティング R-18アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)カラー/サイズ カラー/シネスコメディアタイプ ビデオ 他音声 上映フォーマット デジタルスタッフ監督 イーライ・ロス 脚本 イーライ・ロス ギレルモ・アモエド 製作総指揮 ジェイソン・ブラム マリア・セストーン サラ・E・ジョンソン ホイト・デヴィッド・モーガン 製作 モリー・コナーズ ニコラス・ロペス イーライ・ロス 撮影 アントニオ・クエルシア 音楽 マヌエル・リベイロ 編集 エルネスト・ディアス=エスピノーサ キャスティング ケリー・ワーグナー キャスト出演 ロレンツァ・イッツォ Justineアリエル・レビ Alejandroアーロン・バーンズ Jonahカービー・ブリス・ブラントン Amyスカイ・フェレイラ Kayceeマグダ・アパノヴィッチ Samanthaダリル・サバラ Lars
引用元:(キネマ旬報映画データベース)

予告編

 

 
※本作は残酷な描写が多く含まれます。苦手な方は鑑賞しないことをお勧めします。
 
 ホラー界の異端児イーライロス監督の食人エンターテイメント。いろいろうるさい方々が増えた今、食人映画を真正面から真摯に作り上げたロス監督には本当に頭が上がらない。以前からロス監督はルジェオデオダード監督の1980年の作品『食人族』に熱烈なリスペクトを寄せており、食人映画に対する深すぎる愛情が本作からはめちゃくちゃ伝わってくる。作品の中で起こることは阿鼻叫喚の大残酷にもかかわらず、作り手たちが物凄く楽しみながら撮影に臨んでいるさまが想像できてしまうのである。
 
 お話は、環境保護を謳う学生グループが現地のジャングルへと向かい、食人族に襲われるといった具合。この学生たちがいわゆる意識高い系といわれる人たち。意識高い系とは正義感を振りかざし、小難しい横文字を使ってSNSでの自己主張が激しい自己愛の強い人たちを指す。日本では就活が近づいてきた大学生にこういった鼻もちならない連中が増えてくる。私自身もつい最近就活を終えたばかりだか、その最中意識高い系を目の当たりにしたこともあった。見るたび「食われてしまえ」と考えていたところ、ロス監督がやってくれた。正直学生たちが食人族に一人ひとり食われていくシーンはゾッとすると同時に最高なカタルシスがある。こういったことを現在、あからさまな形で映画の中で行えるのは彼しかいないのかもしれない。
 
 ロス監督は作品のなかでSNS文化を取り入れるのが上手い。キアヌリーブスが小娘たちに性的にいじめれれる映画『ノックノック』でもSNSが印象的に使われていた。オチに抱腹絶倒したひとも少なくないだろう。今作でも意識高い系とだけあってSNSを使いこなしながら学生たちが活動をおこなう。
 
出典:imdb.com
 
 彼らが乗る飛行機が墜落してからがこの作品の本当の始まりだ。肝心のグロシーンの気合の入れようは半端じゃない。とくに一番初めに喰われる”恋するデブ”ことジョナが生きたまま眼球を素手でくりぬかれるシーンのショック度はすさまじい。しかしこの映画の魅力は残酷描写のショック度だけではない。一番の魅力はその残酷の合間合間に挟まれるユーモアである。食人部族は恐ろし気にみえる一方で、生活ぶりをみてると非常に楽しそう。彼らの牧歌的日常風景が挟み込まれるたびにほっこりとさせられてしまう。食人シーンもただただゾンビのように生きたまま食らうだけといったわけでもなく、村のばあ様たちが手際よく調理していくシーンは正直ちょっとおいしそう。それを楽しみに待ってる子供たちの表情もいい。
 
出典:imdb.com
 
 本作のベストシーンはなんといっても大麻大脱出作戦シーンだろう。完全にキマッてる食人族がなんとも楽しそう。大麻の特性の使い方は本当に感心させられた。 
 
出典:imdb.com
 
 女優に脱糞シーンをさせる畜生っぷりに唖然。これを演じたカービー・ブリス・ブラントンは作品をみた友人たちにこの話ばっかりされると嘆いていた。
 
出典:imdb.com
 
 本作で食人族を演じた人たちは現地の人たちで映画やカメラすら知らなかったらしい。そこでロス監督はイメージを伝えるため『食人族』をみせたところみんな大喜びで撮影に参加してくれたそうな。
やっぱり映画は世界共通言語なんだという素晴らしさ。人生でみたことある映画が『食人族』だけってのはすごいなぁとおもったり。
 
出典:omundodasetimaarte.blogspot.com
 
 本作は『食人族』と同様、ただの見世物ホラーとしての側面だけでなく、SNSで自我が膨れ上がった現代人への警鐘、理解するのが難しい多文化への尊重などしっかりとメッセージ性をもっている。脚本も伏線の張り方からものすごく丁寧で、しっかりとつくられていた印象。グロ耐性がある人はぜひ鑑賞してもらいたい。
 

 

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